福祉業界、特に介護施設での人手不足が問題視されている。高齢者介護に限って話をするならば、介護保険制度が始まる以前、介護現場は女性の職場といってもよいほど男性の姿は少なかった。しかし、介護保険施行とともに介護福祉士やケアマネージャーなどの需要が高まり、この仕事を目指す男性が増えた。高齢者の数は年々増加し、それに伴い介護施設も増加しているが、慢性的な人手不足は解消されない。そのような状況の中、男性介護士の存在は間違いなく重要な役割を果たす。力仕事を担う上で必要なのはもちろんのこと、出産や育児で現場を離れるリスクも少なく、夜勤などハードなシフトをこなしてくれるだろう体力に期待がかかる。
不規則で体力を要する介護現場で、家庭を持ちながら女性が働くには厳しい面が多い。そのような女性には、短時間でパートとして力を借りる一方、男性が中心となって支えてくれる現場であると頼もしい。排泄や入浴などの介助が入ってくる施設介護では、同性介助が求められることも少なくない。そういったことからも、男女ともに必要不可欠な職場であるとも言えるのだ。しかし一つ言うならば、賃金が低いということがネックになる。これだけ世の中になくてはならない職種であるのにもかかわらず、収入面で満足できる職場は少ない。男性介護士の需要は増える一方なので、家庭を支える大黒柱になる男性にとって、ぜひ一生の仕事にできるだけの収入が保証される職場であって欲しい。