介護士というと女性のイメージが強いが、もちろん男性介護士も存在する。その割合はというと、令和元年に行われた実態調査では、女性は78.2%なのに対し男性が21.4%となっている。職種別では、訪問介護の場合女性は88.7%で男性は10.9%、施設介護の場合女性は74.2%で男性は25.4%である。このように女性が多い理由としては、業務の内容や働き方が挙げられる。食事の用意や洗濯など業務内容に女性が得意なものが多く、また、非正規雇用で家事や育児の合間の時間に働きたいという希望が叶いやすいからだ。しかし、男性に向いていないのかというと、そんなことはない。女性介護士と比べると、男性介護士には2つ、大きな強みがあるからだ。
まず挙げられるのは、力仕事に向いているという点である。介護の業務には、力を必要とすることがたくさんある。例えば、移乗介助や入浴介助、体位変換など、利用者の体を支える必要がある場面では、力のいる男性であればスムーズに業務をすることができるだろう。もう1つは、安定して人員の確保ができるという点である。これは、女性は結婚や出産などで働き方を変えなければならない(産休や育休の取得、就業時間の短縮、転職など)ことが多いのに対し、男性はそのまま働き続けられることが多いためだ。同じスタッフが長く担当できることは、利用者にも安心を感じてもらうことができるので、信頼関係を築くことにも繋がる。また、長く働き続けることでキャリアアップも期待できるため、年収アップも見込むことができる。このように、介護士は十分に男性が活躍できる仕事である。